看板の歴史

【記事更新日時:2017-09-05 16:59:45

今でこそ、日本では誰もが字を読めて当たり前ですが、かつてはそうではありませんでした。ですから、まだ識字率が低かった頃に作られた初期の看板には、店名も商品名も入っていないものでした。一般庶民の大半が文字の読めない時代では、看板に必要なのは文字ではなく売っている商品を簡単に図案化したものをかかげていたんだそうです。その歴史は古く、なんと奈良時代からあるのだとか。

文字を使われる看板は、鎌倉時代から現れはじめ、店の名前や商品名が記載されるようになったのは、室町時代のことです。武家社会となって、文字を読むのが一部の貴族だけのものではなく、武士たちの間では当たり前のこととして広まったからかもしれませんね。

看板が派手さを強調し、華美なものへと変化をしていくのは明治時代以降、西洋の文化が入ってきてからのことです。多彩な素材が使われるようになり、レトロなペンキ塗りの看板も、この時期から生まれています。

こうして考えると、看板はただの商品案内から広告へと進化していることがわかります。今では町中にあふれている店名を示す看板、広告の看板なども、長い歴史と共に進化してきた形なんです。

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